体験型宿泊施設「OSAKINI Base(仮)」の内装解体作業体験会を実施しました
大崎町にある建物を改修し宿泊施設として再利用する体験型宿泊施設「OSAKINI Base(仮)」プロジェクトでは、既存の内装を解体する作業を大崎町SDGs推進協議会(以下、協議会)のメンバーと地域住民のみなさんで行いました。
体験型宿泊施設「OSAKINI Base(仮)」とは、協議会の事務所の近くにある築50年以上の建物を改修し、大崎町で住民の方々が日々行なっている27品目分別の一部を体験できる、体験型の宿泊施設です。
また、分別体験だけでなく、協議会が目指す循環型社会を体感してもらうために、使用する建築資材の調達先や建物の断熱性能にも工夫を凝らしています。
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リサイクル率日本一のサーキュラーヴィレッジ・大崎町で“これからの ごみの捨て方”を含む地域の暮らしを体験!体験型宿泊施設「OSAKINI Base(仮)」新設決定
宿泊体験は主に町外から大崎町に視察に来られた方々に宿泊していただくことを想定しているのですが、それ以外の空間は地域の住民も使えるコミュニティスペースにすることを検討しています。
今回は、この取り組みについて地域の方々にも知ってもらうキッカケになればと、周辺の住民の方々を巻き込んで全4回の作業体験会を実施しました。
今回は、当日の様子をご紹介します。
解体作業前の状態
OSAKINI Base(仮)となる改修前の建物はこちらです。
解体前は2LDKの間取りでした。
解体作業の様子
解体作業は全4回、期間にして4ヶ月かけて少しづつ作業を行いました。
「解体作業」とはいえ、建物を全て取り壊すわけではありません。
構造の部分は、もう一度建物として機能させることができるため、外側を残して、内側を全て剥いでいく作業を行いました。
暑さもある中、参加者の熱中症に気を付けながら少しづつ作業を進めました。
解体作業には、近隣の住民の方や、地区の議員さん、また隣の志布志市の方々も来てくださいました。
解体後の状態
約4ヶ月かけて、ようやく全ての内装材を撤去することができました。
ここから建設事業者に引き渡して、内装工事作業に進みます。
本来、空き家などは重機を入れることで一瞬にして解体をすることができます。
一方で、重機で解体をしてしまうと、コンクリート、木片、鉄筋などが混ざってしまい、全て産業廃棄物として処理をする他、道がありません。
このプロジェクトのコンセプトとして、OSAKINI Base(仮)では使うものや廃棄されるものにも再利用が可能か、環境配慮されているのか、など”大崎町らしい建物”を目指し、環境負荷を軽減することを大切にしているため、丁寧に、手作業で解体を行うという選択肢を取りました。
作業終了後は、出た廃材を薪にする作業や、素材ごとに産業廃棄物処理事業者の方にお願いして最終処分を行っています。
解体を行う時点で、ある程度素材ごとに分けているため、分別のための処理費も抑えることができました。
今後は、解体作業で出た廃材の量や廃材がどのように処理されたのか、コストはどのぐらい抑えられたのかどうかなど可視化する予定で、それによってこういった取り組みの意義を明確にし、今後の事業の参考になると考えられます。
このたびは、地域の方をはじめ多くの方々のご協力により解体作業を進めることができました。あらためて感謝申し上げます、ありがとうございました。
(建築・設計担当 遠矢将)
クレジット
ご協力いただいた方々
- 建物の近隣にお住まいの皆様、その他大崎町内・志布志市にお住まいの皆様