地域の企業と環境に配慮した企業活動や事業を考えるプログラム『GREEN KAGOSHIMA in 大隅』を開催しました
日本の企業のうち99%は中小企業と言われており、SDGsや環境配慮型への対応は「大企業が変われば良い」ことではなく、中小企業も同じく対応を求められるようになってきます。
そのような地域の企業にとって環境配慮型への転換のきっかけとなるようなプログラムを、大崎町SDGs推進協議会理事企業である鹿児島相互信用金庫との共催で実施しました。
『GREEN KAGOSHIMA in 大隅』とは
『GREEN KAGOSHIMA』とは、大崎町SDGs推進協議会と鹿児島相互信用金庫が共催で進める、地域の企業とともに環境に配慮した企業活動や事業を考えるプログラムです。
第1弾となる今回は、講師による講演に始まり、視察や対話の場、最終回では実践したいグリーンな取り組みを宣言する全4回のプログラム(毎週開催)を企画しました。
「環境や社会にとって良い」ことを表す「グリーン」な取り組みを、1社でするのではなく、鹿児島県内の様々な企業と連携をしながら進めるために、『GREEN KAGOSHIMA』と題しています。
加えて、大崎町SDGs推進協議会が活動拠点とする大隅半島から仲間を作り、ともに進めていきたいとの思いから、大隅半島で開催しました。
ご参加いただいた企業の皆さま
建設関係の企業や食品加工関係の企業の方など総勢14社17名にご参加いただきました。
プログラムの様子
第1週目 講演(2022月6月2日開催)
初回は『GREEN BUSINESS: 環境をよくして稼ぐ。その発想とスキル。』の著者でもあり、一般社団法人バーチュデザイン 代表理事の吉高まり氏をお迎えして、「ESG投資における社会的な潮流と、企業がグリーンビジネスへ転換することの重要性」についてご講演をいただきました。
大川印刷や日本コカ・コーラなど、国内企業の事例も交えながら、各社がどんな思いで環境や社会への先行投資を進めていて、その結果どの程度市場拡大をしているのかなどをお話しいただきました。
後半はグループに分かれて、自社の課題と今後挑戦したいグリーンな取り組みを話し合うワークを行いました。
吉高氏からは「いかに分かりやすいグリーンなストーリーを作れるかどうか」「在りたい姿を設定して、そこからバックキャスティングで考えられるかどうか」などのアドバイスもあり、参加者は自社の取り組みに置き換えて考えられていました。
第2週目 大崎町フィールドワーク(2022年6月8日開催)
第2週目は、初回の講演内容を踏まえ、既存の事例から学ぶことを目的としてリサイクル率日本一の大崎町の取り組みを知るフィールドワーク(現地視察)を実施しました。
参加者には大崎町に集合していただき、リサイクルを語る上で欠かせない、埋め立て処分場、大崎有機工場、そおリサイクルセンターの3つの施設を回りました。
参加者からは「大崎町民だけれども、ごみを捨てたその先を見たことがなかったので貴重な体験になった」「現地視察を通じて環境への取り組みの大切さを改めて感じた」などの感想をいただきました。
午後は「自社の中の事例を引き出す」ことを目的として、お互いの取り組みをじっくりと聞き合うペアインタビューワークを行いました。
最後の全体共有では、インタビュアーが相手の取り組みを他己紹介のような形で紹介する形式を取り、他者に言語化してもらう新鮮さを皆さんに感じていただけたようでした。
第3週目 課題のまとめ(2022年6月16日開催)
第3週目は弊協議会のメンバーが講師を務め、ワークを中心としたまとめの回を行いました。
まずは2回を通じて生まれた、取り組みたいグリーンアクションの整理を行い、その後、それを実現するための実施体制図を描くワークを行いました。
実施体制図作りが難しく悩まれている参加者も多かったのですが、「自分の事業が誰にどんな好影響を与えられるのかもう少し考えたい」などのコメントをいただき、これまでになかったステークホルダー(関係者)との関係性を考えるきっかけとなったように感じました。
第4週目 最終プレゼンテーション(2022年6月23日開催)
待ちに待った最終プレゼンテーションでは、約1ヶ月かけて考えてきてくださった「グリーン宣言」を1社ずつ発表いただきました。
各社の「グリーン宣言」は多種多様で、「若手社員の意見を柔軟に受け入れ、新しい顧客サービスへの展開をする(株式会社 大山組)」のように、社内マネジメントを通じたビジネスチャンス創出を目指したい企業や、「資源を循環させる事で地上資源を大切にします(有限会社 坂下水産)」のように、消費者や地域の仕入れ業者なども巻き込んで食品トレー回収、及び再資源化を目指すことを宣言された方もいました。
また、それぞれから発表いただいた実施体制図には、自社と周辺のステークホルダーだけでなく、地域への機会提供や、さらには地域の若者や移住者に向けた価値提供も盛り込んでいる企業も多く、プログラムを通じて、それぞれの視点がより広範な「三方よし」へと広がっていることが印象的でした。
最後は鹿児島相互信用金庫 鹿屋支店の八木支店長より全体講評をいただき、地域企業と金融機関とが連携をして地域のSDGsや環境配慮型ビジネスを進めていく可能性を感じました。
『GREEN KAGOSHIMA』では、「グリーン宣言」を発表するだけでなく実行していただくために、プログラム終了後、鹿児島相互信用金庫に金融面でのご相談をする機会を提供しています。参加企業の今後の展開が楽しみです。
『GREEN KAGOSHIMA』を終えて
大崎町SDGs推進協議会として初めて地域の企業に向けて実施したプログラムでしたが、想定以上の企業にご参加いただき、それぞれしっかりと自分の言葉で「グリーン宣言」をしていただき、ご参加いただいた皆さまのおかげで盛会となりました。
我々事務局としては、講師からお話を伺い、参加企業との交流を通じて、地域の中小企業が環境配慮型へと転換していくことの重要性を改めて認識しました。
引き続き、鹿児島相互信用金庫との連携を通じて、鹿児島県内の環境配慮の取り組みを進め、鹿児島が国内外から選ばれ、人・もの・お金が集まる場所になるよう活動を推進していきたいと思います。
(文・企業連携担当 藤田香澄)