大崎リサイクルシステムの展開に向け、新潟県妙高市に視察へ
大崎町SDGs推進協議会では、リサイクル率83.1%を誇る大崎リサイクルシステムを他の自治体でも実践することを通じて、大崎町だけでなく社会全体で環境負荷を減らすことを目指すプロジェクトを展開しています。
本プロジェクトでは、我々が他自治体の現地調査をしたり、大崎町での視察受け入れを通じて、他地域への展開の可能性を探ることで実現を目指します。
今回は、新潟県妙高市に伺い、ごみ処理施設の見学や行政担当者との打ち合わせを行いました。
ゼロカーボンに先進的に取り組む自治体、妙高市
妙高市は「生命地域ゼロカーボン推進宣言(2020年6月)」の中で2020年6月に「ゼロカーボン推進宣言」を出し、SDGs施策の柱として2050年までに「CO₂排出量実質ゼロ」を目指しています。廃棄物リサイクルに関しては、全国平均20.0%(令和2年度)というリサイクル率において、31.0%(令和2年度)となっており、資源化や分別に積極的な自治体です。
私たちとしては、例えば大崎町の生ごみ堆肥化の技術を導入し、資源循環を推進することで、より環境負荷を低くし、ともにゼロカーボンに取り組んでいけるのではないかと考え、現地調査を見据えた視察を行いました。
はじめに大崎町住民環境課長の松元さんと協議会の藤田から、大崎町のリサイクルの取り組みとリサイクルシステムの展開を含めた協議会の事業について説明しました。その後、妙高市役所の環境生活課から、現状の妙高における分別やリサイクルの取り組みと、今後取り組んでいきたいことを教えていただきました。
妙高市のごみ処理施設見学へ
まずは地域の妙高高原ビジターセンターへ。今年オープンしたばかりの妙高戸隠連山国立公園を満喫するための拠点施設で、自然豊かな妙高市を象徴するような場所にあります。自然を身近に感じられる、親子向けのワークショップなども多く実施されているそうです。
その後、妙高高原最終処分場、あらい再資源センター、妙高クリーンセンター(焼却処理施設)の順に施設を見学しました。各施設詳細を教えていただきつつ、大崎町のリサイクルシステムの展開の可能性や、大崎町が導入できそうな取り組みがないかを考えます。
妙高市では焼却処理施設で、資源化できないごみは埋め立てているため、焼却した後に固化させた灰はかなり減容化されていることや、最終処分場が雪で埋まっている間は埋め立てがストップするなどの雪国ならではの苦労も伺いました。
施設見学を終えたその日の夜、住民向けの「ごみ減量リサイクル説明会」にも参加することができました。
燃えるごみの減量を目指す妙高市として、分別の徹底や各家庭での堆肥化の普及など、住民の皆さんに取り組んでいただきたいことを、動画も交え説明されていました。参加した住民の方々は、熱心に耳を傾け、質疑応答も活発に行われていました。
住民説明会で感じた、環境意識の高さ
他地域に生ごみ堆肥化の仕組みを導入する場合、今回お邪魔させていただいた地区のように、住民の皆さんが環境やごみについて考える機会を作るところから始めるやり方もあるのではないか、と感じました。また、視察の最初に訪問した妙高高原ビジターセンターで、生ごみの堆肥化を体験できるイベントなど企画させていただくことから、理解を得ていく方法もありそうです。
また、施設見学や妙高市役所の方とのディスカッションを通じ、展開における課題も明らかになりました。
例えば、妙高市は稲作農家が多く、大崎町のように生ごみ堆肥を使える畑が見つからないのではないか、ということ。気候も含めた地理条件が大崎町とはまったく違う地域では、スピード感を持って大崎リサイクルシステムを展開するにはどんな取り組みから始められそうか、具体的に検討する材料を多くもらえる視察となりました。
(文・企業連携担当 井上雄大)
プレスリリース
なし
クレジット
妙高市役所
企画政策課 課長補佐 斉藤 誠
企画政策課 政策調整グループ 副参事・係長 岸本 学
企画政策課 SDGs推進室長 宮川 尚史
企画政策課 SDGs推進グループ 主査 市川 健一郎
環境生活課 課長 岩澤 正明
環境生活課 課長補佐 岡田 豊
環境生活課 環境衛生係 副参事・係長 堀川 誠
環境生活課 環境衛生係 主査 川原 崇峰
環境生活課 環境衛生係 主事 横山 恵美
環境生活課 環境企画係 係長 豊田 勝弘
妙高高原ビジターセンター
館長 松井 茂
あらい再資源センター
管理者 有限会社クリーンサービス 代表取締役 渡邉 勉
有限会社川村商店
代表取締役 川村 実
石塚町町内会
町内会長 池田 勇
(※敬称略)