あなたとおおさき未来デザイン会議 DAY4 開催レポート
令和6年11月30日より『あなたとおおさき未来デザイン会議』がスタートし(主催:大崎町SDGs推進協議会)、今年3月にかけて「これからの大崎町の3年間をみんなで一緒に考える」をテーマにプログラムを開催中です。今回はDAY4の内容をレポートしたいと思います。

<目次>
オープニング
DAY4は『マルおおさき』にて開催。まず、大崎町SDGs推進協議会・事務局の大保拓弥より、DAY3の振り返りとDAY4の目的・流れの説明がありました。
目的については以下の通りです。
<DAY4の目的>
・企画の可能性を考えワクワク感を盛り上げよう!
・企画がメディアにどう取り上げられたいかを考えよう!
・DAY5で感動のフィナーレを迎えて、その後もチームが続いていくように準備をしよう!

オープニング後は、会場全体のチェックインへ。いつもの内容に加え「復活させたい大崎町の風景(つくりたい大崎町の風景)」についてもそれぞれの視点で話が出てきました。

レクチャー
レクチャーは『株式会社KESHIKI』代表取締役の九法崇雄さん。テーマは「人を巻き込むストーリーのつくり方」という内容で話が展開されました。
<九法崇雄さん プロフィール>
一橋大学商学部卒。NTTコミュニケーションズを経て編集者に。「PRESIDENT」副編集長、「Forbes JAPAN」編集次長兼ウェブ編集長などを務める。2019年、KESHIKI設立。企業や官公庁のありたい姿を描くパーパスやナラティブ策定を通じたカルチャー変革、ブランディングなどのプロジェクトを主導する。鹿児島市で生まれ、小学校時代を大崎町に隣接する鹿屋市で過ごす。

鹿児島出身の九法さん。社会人になり、ビジネス誌の編集者としてのキャリアを重ねてきたといいます。起業家を中心にどんな生き方をしてきたのか、光が当たらない部分まで含め、いかに世の中へ広く発信していくか。そこを意識しながら、国内外問わず、あらゆる分野や立場の人を取材してきたそうです。
2019年にはさまざまなバックグランドを持つ仲間とともに『株式会社KESHIKI』を設立。パーパスやナラティブ策定を通じたカルチャー変革、ブランディングなどのプロジェクトを主導しながら地方にも関わっています。

続いては今回のテーマの中にある「ストーリー」がどうして重要なのか。3つのポイントに分けてお話してくれました。
<ストーリーにおける3つの背景>
・サステナビリティの時代
・オーセンティシティの時代
・消費アクティビズムの時代
1点目は「サステナビリティの時代」。
単なるビジネスではなく、社会課題や地球環境に対して持続可能な仕組みをつくり、どう責任を果たしていくか。さらに、そこに対して意思表示をする必要性があるという話がありました。

2点目は「オーセンティシティの時代」。
あり方(Being)と行動(Doing)が一致しているかどうか。インターネット/SNSなどオンラインツールが普及しコミュニケーションのあり方が変化したからこそ、一貫した「ありのままの姿」や「らしさ」が多くの信頼を集め、強いコミュニティが形成できるといいます。

3点目は「消費アクティビズムの時代」。
何かを選ぶ際、一人ひとりの消費行動により、単に安さや便利さだけではなく、いかに社会や地球に貢献できるのか。どんな未来が待っているのか。そんな意味や美意識を求める時代になり、それが多くの人を取り込んでいく重要な要素になっているといいます。実際に、Z世代を中心に、消費などの日々の活動を通じて、社会に対する意思表明をする人が増えてきているのだとか。

さらに、コミュニケーションの変化について。
「これまでと違い“つくる人”、“働く人”、“使う人”がそれぞれの視点でどんな社会がいいのか。それを社会に対してメッセージを発信することで、さまざまな人を巻き込むことができる時代になってきています。逆に社会に対するメッセージがなければ期間限定的な人との繋がりしか生み出せなくなっていると感じています。」
最後に企画コンセプトを考える上で必要な「WHY」「HOW」「WHAT」の3要素について。これからの時代は「WHY」から考えないといけないと九法さんは話します。その理由を「PURPOSE」(今回のプレゼンでは「WHY」と同じ意味合いとして捉えた上で)の言葉を使い、教えてくれました。
「PURPOSEは社会にとってどんな意味があるのかという意義と自分たちは何を成し遂げたいのかという意志が重なった部分をいいます。それが存在意義になり、そこから発信しコンセプトを固めることで多くの人を巻き込み、強いコミュニティを形成できると考えています。」

ワーク(パーパスを書いてみる)
九法さんのレクチャーを踏まえワークへ。
まずは各チームの企画を一言で何と表現するか(コンセプト)を考えることから。
ポイントとして
・どんな企画を展開するのか
・それによってどんな社会や未来をつくりたいのか
・チームの特徴
を挙げられました。




マガジンワーク+シェア&フィードバック
パーパス作成ワークを踏まえマガジンワークへ。
マガジンワークとは編集者視点で客観的に自分たちの企画について
・どんな雑誌に取り上げられ
・どんな特集が組まれ
・どんな人がどういう風に取り上げられるのか
上記3点を意識しながら、どういう企画にすれば多くの人が読みたくなるかを考えていく作業をいいます。

作業内容は以下のとおり。
・表紙づくり(雑誌選び・キャッチコピー決め)
・なぜそのプロジェクトを始めたのか?プロジェクトの成功の鍵は何か?プロジェクトによってどう世界は変わったのか?といった3点の言語化
・プロジェクトの特徴を表すビジュアルや図版の作成

九法さんからは次のようなアドバイスがありました。
「5年後の未来に違う分野だったり、世界的なグローバル誌に取り上げられるような未来のシナリオを考えてみてください。客観的な視点で自分たちの未来を眺めることが目的です。できるだけ社会や未来の視点を意識しながらつくっていくことがポイントになります。」


1時間以上のマガジンワークを踏まえ、グループごとのプレゼンへ移ります。
(DAY3で各グループが企画した内容はこちらから。)
まずは「空き家・ハード」チームから。
ものづくりや建築を意識した雑誌をセレクトし、表紙は横瀬古墳(大崎町)、タイトルは「再生の美学」に。
資金面で企画が一度頓挫するも、地道に活動を続け、そこからSDGsに関する世界的な賞をいただき、企画が再生するというストーリーでプレゼンが展開されました。
さらに、人気キャラクターをモチーフにしたごみ箱に着目し、まちの人だけではなく大崎町を訪れた人が参加できるアートプロジェクトの話まで。企画だけではなく、町内外を巻き込んだカタチでの再生、という流れになっていました。

次は「食・酒」チーム。
食をモチーフにし、ロゴの可愛さのある雑誌をセレクト。タイトルは「エシカルなローカル食で繫がる町-もてなしも、暮らしも、未来も-」。
豊かな食材があるのに豊かな食事をする体験が大崎町ではできていないところに着目し、町外からまちを訪れた人が生産者や町民と朝ごはんや夕ごはんを一緒に食べ、交流する場を設ける。それにより町民の食生活やライフスタイルが変化し、町内で豊かな食事ができる選択肢が増えるというストーリーで話を展開。
また、大崎町はリサイクルで知名度があるものの、スーパーなどでごみが出ないような仕組みがまだないというギャップにも着目し、循環に配慮したローカルフードカルチャーまで目指せたらという話にもなりました。

最後は「コミュニティ」チーム。
U・Iターンなどをテーマにした移住雑誌を取り上げ、暮らしや社会を見つめ直し、行動を起こすことをテーマにタイトルは「分断が地域を変える」に。
「コミュニティは分断を生む」ことを前提に、その分断に着目し、まちの中で分断している人同士の橋渡しの役割を担うスナックを定期的に開催すると宣言。単に話を聞くだけではなく、人や支援といったものを繋ぐ役割を果たし、実際に成功体験へ導き、さらに移動式スナックとしてまちを巡回する仕組みまで話を展開しました。
本来、楽しい時間を過ごすためにまちの様々な人が集まるスナック。その楽しさはお店の中で繰り広げられることが基本ですが、外に飛び出し、話をしたことがまちに何かしら良い意味で還元されていくストーリーも印象的でした。


DAY5の目的・意図を共有
レクチャーやワークが終わり、大崎町SDGs推進協議会・事務局の大保拓弥よりDAY5の目的などの共有がありました。

DAY5はいよいよ最終報告会。企画を聞きにきてくださった方々に一方的に企画案を伝えて終わる場ではなく、ともに大崎町の未来をつくる仲間として当日参加者の方々の話も聞きたい、そんな想いを反映したスケジュール設計を事務局から提案しました。
未来デザイン会議の参加者みんなで作りあげる最終報告の場について提案し、DAY5までの間に各チーム集まったり、プレゼン全体のストーリーを考えたりしようと呼びかけも。
ラストスパートをみんなで駆け上がるため、みんなでがんばろうという士気を高める時間となりました。
クロージング
今回のDAY4の時間を通して最後に九法さんから言葉がありました。
「企画段階からストーリーにして”こんな未来になる”というものをつくっていくことでアイデアの解像度が上がっていきます。なので、今日のワークを今後も活用してほしいです。また、町内外関係なく、いろんな人の関わりしろを持てるように意識しながらブラッシュアップしていくことも大事なので、そこも意識してほしいです。」

さて、ついに次回はDAY5です。DAY1~4までの学びやワーク、結束力を活かし、どんな時間が生まれ、どんな未来に繋がっていくのか。とても楽しみです。

参加者の声
・やっぱり大事なのはストーリー。 どんなに良いことをやっていても、人に伝わらないと。
プロジェクトのアウトプットをポジティブに考えられた有意義な時間でした。・ストーリー作りをテーマにそれぞれの思いを出し合い、こねて、一つのものにしていく流れがとても自然でした。3つの企画が、不思議と繋がっていると思いました。
取材・執筆・撮影:上 泰寿(ケアの編集者)
当日の様子をまとめたパネル

クレジット
登壇
- 株式会社KESIKI 代表取締役 九法崇雄様
アーカイブ
- 取材・執筆・撮影:上 泰寿様(ケアの編集者)
- パネル制作:中原 未央様(合作株式会社)