静岡県西伊豆町の星野町長と関係者の皆様にお越しいただきました!
大崎町SDGs推進協議会では、リサイクル率83.1%を誇る大崎リサイクルシステムを他の自治体でも実践することを通じて、大崎町だけでなく社会全体で環境負荷を減らすことを目指すプロジェクトを展開しています。
本プロジェクトでは、我々が他自治体の現地調査をしたり、大崎町での視察受け入れを通じて、他地域への展開の可能性を探ることで実現を目指します。
今回は、静岡県西伊豆町の星野町長と関係者の皆様が大崎リサイクルシステムの視察のため、大崎町にいらっしゃいました。
大崎リサイクルシステムのご案内
大崎町SDGs推進協議会として、大崎リサイクルシステムの展開を見据えた他自治体の方々を受け入れたのは、今回が初めてです。
西伊豆町からは星野町長をはじめ、同町の産業建設課、まちづくり課、地域おこし協力隊の方々、そして民間企業の方がいらっしゃいました。
初日は埋立処分場、大崎有機工場、そおリサイクルセンターを視察。2日目は大崎町長や役場、大崎町SDGs推進協議会とのディスカッションを行いました。
中でも堆肥化の取り組みに興味をもっていただき、生ごみのバケツ回収から有機工場への持ち込みまでの流れや、事業系の生ごみがどの程度処理されているのか等について、詳しく紹介いたしました。
西伊豆町の皆さんが大崎町に興味をもったきっかけ
静岡県西伊豆町は、伊豆半島の西側に位置している、人口7,188人(令和2年8月1日現在)の町です。産業は観光業と漁業が盛んで、明治から昭和にかけてカツオ漁並びに鰹節加工業が栄えています。
漁業に関わる事業者数が116件(2018年漁業センサスより)存在し、魚のアラなど漁業関係の廃棄物も多くなっています。これらは、各事業者に産業廃棄物として処理を依頼することで、処理費がかかるなどの課題を抱えています。
町が魚のアラを運び込める堆肥工場を作るなどして、域内で利活用する循環の輪が作れないかという問題意識から、大崎リサイクルシステムに興味をお持ちいただきました。
私たちは、西伊豆町での実践を考える上で、西伊豆町の廃棄物処理の特徴を調査しました。
西伊豆町の廃棄物処理の特徴
- 1人1日当たりのごみ排出量は1,377g/人日(令和2年度)で、全国平均の901g/人日と比較して高い傾向にある。
- 総資源化率(リサイクル率)は15.8%(令和2年度)で、全国平均の20.0%と比較して低い傾向にある。
- 西伊豆町は漁業の町としても知られ、漁業経営体数は116経営体(平成30年)存在する。魚のアラなど漁業関連の廃棄物が多い。
- 西伊豆町は単独で焼却処理施設と最終処分場を有しているが、令和9年度を目処に1市3町による広域処理化に切り替える検討を進めている。
西伊豆町とのディスカッションと今後の可能性
西伊豆町の特徴を踏まえ、皆様とのディスカッションを行うなかで、以下のような可能性があるのではないかと感じました。
- 「魚のアラを産業廃棄物ではなく、よりコストのかからない方法で処理をしたい」という明確な課題意識が、役場だけでなく排出事業者(漁業関係者)にもあるため、協力者を探して小さく実証を始めやすい環境にある。
- 町の施策の一つに、木材チップ等の六次産業化を通じた山資源の活用と保全及び地域資源の域内循環を目指している。有機物の堆肥化に取り組むことで、域内循環の実現にも寄与できる可能性がある。
一方で、信頼できる廃棄物処理業者がいるかどうかも重要です。いない場合は一から組織できる土壌があるか、賛同いただける漁業関係者がいるか等が、今後検討を進める上でのポイントになるかと思います。
今後は、西伊豆町のキーとなる方々にも大崎町にお越しいただきつつ、プロジェクトチームとして西伊豆町にお伺いさせていただき、漁業関係者が抱えている課題を明らかにしながら、漁業関連で排出される廃棄物の実態を調査するなどの取り組みを検討しています。
今後の西伊豆町の方々との取り組みも、随時ご紹介していきます。
大崎リサイクルシステムの展開先を募集しています
大崎町SDGs推進協議会では、大崎リサイクルシステムを学びたい・実践してみたい自治体関係者を募集しています。ご興味のある方・話を聞いてみたい方は、大崎町SDGs推進協議会まで是非、お問い合わせください。
- お問い合わせはこちら:https://www.osakini.org/contact/
(文・企業連携担当 藤田香澄)