大崎町とは

Photo:Kohei Shikama

01.History背景・リサイクルの歴史

大崎町は鹿児島県東部、大隅半島の中央、志布志湾に面した人口13,000人ほどの自治体です。
主な産業は畜産、農業、水産業など一次産業が中心です。

元々焼却処理場を持たず、出たごみは全て埋め立てにより最終処分をしていました。平成2年からは大崎町と志布志市、有明町の合意のもと一市二町が協働で新たな埋立処分場(清掃センター)の供用を開始します。しかしながら、当初計画していたよりも多くのごみが排出され、予定されていた計画期間を待たずして埋立処分場の残余年数が逼迫します。このことから、大崎町では新たなごみの処分方法の検討をすることとなりました。

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02.Approachアプローチ

検討開始当初、大崎町では①新たに焼却炉の建設②新たな埋立処分場の建設③既存の埋立処分場の延命化の3つの選択肢が提示されました。しかしながら焼却炉建設は、建設自体は補助金などを活用して費用を賄うことができたとしても、毎年莫大な運用費がかかること、新たな埋立処分場の建設は悪臭を放つ迷惑施設のため、周辺住民の理解を得ることが難しいと却下され、最終的にごみの減量化による既存の埋立処分場の延命化が選択されました。

平成10年、ごみの分別・回収の取り組みは資源ごみ(缶・ビン・PET)の三品目からスタートします。その後徐々に分別品目を増やし、平成13年から試験的に生ごみの回収を開始、平成14年には民間の有機物堆肥化工場が稼働を開始し、平成16年には有機物(生ごみ・草木)の埋め立てが全面禁止となります。そしてその後も細かい変更を重ね、現在では27品目に分別され回収されています。その結果、平成10年と比較し平成29年度には約84パーセントの埋め立てごみを削減しています。

大崎町のごみ減量化の経緯等
平成2年7月
曽於南部清掃センター埋立開始
平成10年9月
資源ごみ3品目分別開始(缶・ビン・PET)
平成11年8月
そおリサイクルセンター完成(民間施設)
平成12年6月
資源ごみ16品目分別収集を開始
平成13年4月
生ごみモデル地区回収を開始(180戸) 資源分別収集で雑金属などを追加し24品目に
平成13年10月
菜種の播種を実施、菜の花エコに着手
平成14年4月
生ごみ分別と割り箸を追加 草木・剪定くずと生ごみ堆肥化, 有機工場(民間施設)稼動
平成14年6月
全事業所の生ごみ分別を開始
平成14年7月
埋立処分場が35年の延命
平成16年7月
有機物の埋立処分を全面禁止
平成17年7月
陶器類の収集を追加し28品目に
平成18年4月
粗大ごみのステーション回収を廃止 戸別回収へ
平成23年10月
高齢者等へのごみ出しサポート事業開始
平成24年8月
新聞+チラシ, 雑誌+雑古紙を統合し26品目に
平成24年8月
JICA草の根技術協力事業にてインドネシア国デポック市への環境指導開始(3年間)
平成25年4月
使用済み小型家電の分別収集を開始し27品目に
平成27年8月
JICA草の根技術協力事業にてインドネシア国バリ州への環境指導開始(2年間)
平成29年2月
そおリサイクルセンターがJICA普及・実証事業にてデポック市へ中間処理施設設置支援開始

03.Organization行政・住民・企業の協力体制行政・住民・企業の協力体制

大崎町の資源リサイクルの取り組みは、行政・住民・企業三者が協力して実施しています。

行政の役割

先ず行政の役割としては、資源回収のためのルールづくりが挙げられます。ごみを回収する際の法律を整備し、分別品目、ごみ出し日、時間、場所、収集ルートなどは行政が決定します。また、収集したごみの最終処分先を確保するのも行政の役割です。

また、更に重要な行政の役割として、企業と住民の役割づくりとその指導が挙げられます。大崎町でごみの分別を開始した際は、150の地域で複数回にわたって説明会を開催しました。またそうした説明会は、現在でも毎年1回150の地域リーダーへ実施する研修会という形で引き継がれています。

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住民の役割

次に住民の役割です。住民は先ず家庭や事業所で徹底したごみの洗浄及び分別を実施します。容器についた食品残渣など全て一度洗浄し、それぞれの素材ごとに分別を実施します。また洗浄・分別したごみを指定の収集所へ出すところまでが住民の役割となります。

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企業の役割

最後に企業の役割です。企業は行政の委託と事業所の負担によりごみを回収します。回収した資源ごみはリサイクルセンターに運ばれ異物が混入していないか検査を行い、更に細かく分別を行ったのち、まとめて最終処理施設へと出荷します。

またごみの60%以上を占める生ごみ、草木などの有機物を回収して堆肥化するのも企業の役割です。企業は各回収所に出された生ごみ・草木を回収し、有機物を堆肥化する有機工場に搬入します。有機工場では生ごみや草木を破砕したのち混ぜ合わせ、水分量を調整しながら攪拌を行い半年以上の時間をかけて堆肥化します。またそこで生まれた堆肥は完熟堆肥として販売され、有機物の完全な地域内での循環を実現しています。

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04.Achievement成果

01「ごみの減量・埋立処分場の延命化」

ごみの分別回収の取り組みにより、大崎町では埋立ごみの80%以上の減量化を達成しました。そのことにより、当時あと数年で満杯になると言われていた埋立処分場は、今後50年は供用可能と試算されています。

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02「処理経費の低減・売却益金の町への還元」

リサイクルの取り組みは、ごみ処理事業経費の低減にも貢献しています。一人当たりのごみ処理事業の全国平均が15,326円(平成28年度)のところ、大崎町は7,550円とおよそ半額で済んでいます。また、分別回収されたごみはリサイクルされる際に再生可能な資源として業者に売却されます。大崎町ではおよそ760万円が売却益金として、町の事業に活用されています(平成28年度)。

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03「大崎町リサイクル未来創生奨学金」

大崎町では、卒業後10年以内に大崎町に戻ってきた場合に、最大で元金と利子の返済を全額補助する奨学金制度を金融機関と協働で設立しています。大崎町の取り組む資源循環の流れと同様に、大崎町で育った人材が勉学に励むことを支援し、故郷の活性化を担う人材に成長し、再び大崎町に定住し、活躍することを願った奨学制度です。この奨学制度には、大崎町のリサイクルの取り組みによって生まれた益金が活用されています。

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04「雇用の増加」

大崎町にあるリサイクルセンターでは、近隣自治体も合わせておよそ10万人分の資源ごみを取り扱っており、新たに40人程度の雇用が生まれています。

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05.Global operation海外展開

大崎町のリサイクルシステムは海外からも注目され、平成24年度からインドネシア共和国 デポック市、バリ州に廃棄物の減量化を目的としたごみの分別・排出・収集・運搬処理のシステムづくりの環境指導として展開を始めました。現在ではデポック市、バリ州に加えて人口1千万人に迫るジャカルタ州でも大崎町のリサイクルシステムの導入に関して、実証の取り組みが行われています。

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